穂の原でんしゃ製作所

鉄道模型を楽しくカンタンに工作したい方にオススメ。

Roco 70651 SBB Cargo 186 908-6 Ep.6 その3

多分名機

 ボンバル改めアルストームのTraxxは、現行モデルはそれほど売れ行きが良くないですが、相当な数の様々なシリーズが量産され、欧州のアチコチを歩き回っています。

 その起源は、ドイツ鉄道の試作機だったアルゲマイネで製造された128形に遡るわけですが、フォルムのベースもそこが起源になるかと思います。と言っても、更に遡ることが出来て、AEG=>LEW製造の、東独国鉄製造の156形まで戻るでしょうか。

 ちょうど東西ドイツ統一直後の、それぞれの国鉄を統合する直前の混乱期に計画製造されたマシンで、東西双方の標準技術の融合と当時最新だった120形電機の思想など、様々な思惑が入り込んでしまったため、少し中途半端な状態に仕上がってしまいましたが・・・・

 結局のところ、その思想を引き継いで128形試作機を完成させ、その結果がアドトランツ名義の101形に結実したわけですから、今流行りのジーメンスのベクトロンよりも、本来の東西両国鉄の思想をしっかり引き継いだシリーズであったことが優位に働いていたかもしれません。ジーメンスの試作機127形はオイロスプリンターシリーズで、ドイツでは152形となったわけですが、その時の仕様未達が後々まで影響していたということもあったと推察されます。

 まあ、色々あったとは思いますが、所詮欧州であっても重電メーカーの競争であったわけですが、流石にこの20年で、その疲弊の悪影響が無視できないレベルになってきてしまい、規格や仕様で縛る競争の原理は限界があることを露呈してしまいました。

 メーカーが疲弊すると、自ずと事業者も大損害を被るわけです。日本でもここ4~5年はそんな状況が散見されるようになってきました。まあ、半導体不足という、それ以上のブーメランに現在は見舞われている最中でもありますが。

 ということで、このTraxxシリーズの最も売れた2010年代前半が、実は鉄道車両業界では最も華やかな時代だったといわれることになるような気がしないでもありません。

 

・・・おしまい。