穂の原でんしゃ製作所

鉄道模型を楽しくカンタンに工作したい方にオススメ。

Roco 71953 Lokomotion 193 664-0 "MRCE dispolok Lokomotion" Ep.6 その3

貨物輸送の重要性

 日本は四方を海に囲まれた小さな島国のため、古くから物流は船舶に頼り切っていたところがあります。明治以降に内陸部の養蚕産業や石灰石、石炭、木材を都会に運び出すために、山から海へ向かっての小私鉄が沢山敷かれましたが、陸上で物流を完結するという横方向の輸送は、主として旅客をメインにすることに力を入れていました。

 欧州や米国は、内陸国家や都市がメインですので、自ずと物流は鉄道がメインとなります。それが今日まで続いていて、米国に至っては鉄道技術の研究は貨物が最先端を行っているという、日本とは全く異なる技術進化を遂げています。

 日本はかなり世界的には異端な鉄道技術の発達をしているのが、日本の国内に閉じこもっていると判らないわけでして、それは国民病にもなっているかもしれません。鉄道は物流にこそ最大の利点があります。

 日本人よ、いつまで井の中の蛙でいるのかね~~~。

 閑話休題、このベクトロンは様々なバリエーションがありますが、欧州各国の貨物輸送にとても貢献をしています。といって貨物機という訳ではなく、旅客輸送においても、日本の電車も負けるくらいの高加速、高減速を誇る、機動性の良さもウリです。

 地下鉄並みの高加速で一気に時速160キロまで起動するグイグイさは、とても日本の技術では実現できないでしょう。

 そればかりではなく、ラストマイル機能をオプションで持っているなど、運用側のニーズに沿った製品展開が出来るなど、余程日本のメーカーの硬直さよりも柔軟性があります。日本のオーダーメードはいつの間にやらコストのカタマリに化けてしまい、未だに付加価値で儲けを!なんていうバブル直後に流行った思想の経営者が、我々バブル世代には未だ化石燃料のように残っています。

 いわゆるプラザ合意後にそそのかされて行った「内需拡大」政策が、更に誤った方向に進んだおかげで、中間マージンを膨らませる経済構造に転嫁している中で、欧米各国は逆に中間マージンを切り詰める経済構造にスリム化し、日本を弱体化させるとともに競争力を復活させています。

 物流についても同じことが言えますが、人手を介さずに、如何に手間なくモノ運びが出来るか、というシステムが重要で、日本の場合は中途半端な国の大きさなので、物流を人手に頼ることが大きいことからなかなか脱却できない、サービス産業になってしまっています。

 あと10年もすると、宅配サービスの維持が出来なくなり、昔のチッキのように駅に荷物を取りに行くことならぬ、運送会社の営業所へ荷物を取りに出向く、というようなことになるかもしれません。ネコロボットが届けてくれるのも良いですけどね。

 そうすると道端でネコロボット同士のソコ退け合戦が見られるようになるかもしれません。

 

・・・おしまい。