ちょっと面倒な加工
ロコの110型や140型の、この形状の製品はベースとなった車両が不思議です。最初は140型が1976年に発売されたようです。ロコとしては最初期の製品です。
70年代は800番代の号車が発売されていたので、ベース製品はこの時期のタイプになります。即ちエンドビームが車体に別取り付けとなった111型や151型と同等の構造です。そのため、110型ではこの形態は存在しないことになります(詳しく調べていませんが)。110型で事故などで旧車体が廃棄され車体新造されたパターン(例えば107号機)は、車体形状が110.3タイプの流線型になり、エンドビームが別取り付け品の特殊形態になります。
今回の232号機はオリジナル車体を継承しているので、この別エンドビームを車体と一体化する復元工事が必要になります。
取り外していたエンドビームの全体を1mm程度薄く削ります。それから車体に接着剤で強固に固定(ABS樹脂のため、上記写真のようにABS用接着剤を使用します)してから、ビーム側面をエポキシパテで大きく埋め込みます。
パテが乾燥したら、形状を整えます。写真との見た目でフォルムを決めてしまいます。あくまで雰囲気重視。
上下に縁取り(鋼板の板厚分の縁)がありますので、それはプラ板で表現します。大きめに切り出したプラ板を、上の写真のように接着します。
接着剤が完全に乾燥してから、プラ板を切り込みます。この段階では大雑把に切り込んでいます。
縁の出っ張り方が寸法的に微妙なため、凹凸感がつかみやすいよう灰色サーフェーサを軽く塗装しています。これから、合わせ目の隙間などは寸簡接着剤を流して埋め込みをします。
その後ドレメルなどを駆使して、板厚と車体外板からの出具合を削りながら調整します。これも見た目重視で加工。
他に手を加えた部分も含め、研磨などが終了したら全体にサーフェーサをしっかり塗装して、車体の加工を終了します。
・・・次回へ続く。