先頭車にもデコーダを
当たり前のことですが、DCCのデコーダは通常モーター車で使うことが前提となったピン配列となっています。従って、モーターの無いクハにデコーダを搭載する場合は、ファンクションデコーダを使用する必要があります。
8P配列の場合、走行用デコーダのモーター配線用のピン配はファンクションデコーダではAUX3とAUX4に割り当てられています。
さて、天ぷらのクハにも8P用のデコーダソケットが設けられていますので、ファンクションデコーダを取り付けすることが可能です。
ということで用意しましたが、昨年ちょうどESUからファンクションデコーダでもサウンドが出せるデコーダが発売となりましたので、今回はこれを使用します。
理由は簡潔で・・・
- 空気笛の音は先頭車からのみ出したい(しかも進行側)
- ブレーキ緩解音がM車とT車で異なるので、それを再現したい。
- 自動ブレーキのBP排気は先頭車からのみだしたい(しかも進行側)
- 非常ブレーキ音は先頭進行側とそれ以外で異なるので、それを再現したい。
と、117系以降のブレーキ制御装置特有の緩解音の場合、非常ブレーキ音が少々控えめになった非常弁を使用していて、長編成の場合はそれが目立つので、少し今回は凝ってみることにしました。
では、先頭車へデコーダを搭載するわけですが、その前に下拵えが必要です。
なんとデコーダ用ソケットのある基板は、車体側のライトユニットに搭載という面倒な構成です。この辺りは日本設計モデルの安直さが如実に表れています。使う側の手入れの面倒さが考慮されていません。
欧州モデルでは、頑張って設計をして、このユニットの床上先頭部にライトユニットを実装できるようにするところです。
リリプットの連接電車のように、室内灯や側面行先表示器灯までこの床下ユニットに搭載してしまうという、メンテナンス作業を十二分に考慮した設計で出来上がった安価な製品も、普通に発売されています。
同じ中国メーカーの生産品のハズですので、余程日本人の能力の無さを現地の設計人は嘲笑っていることでしょう。まあ、日本の鉄道模型業界とはその程度のものです。
ということで、先ずは落成直後3年ほどのスタイルを再現するために、汚物処理装置を撤去して便所流し管を取り付けします。
トミックスのようなカプラー取付部をうまい具合に利用して取り付けするような設計にはなっていないので、新たな流し管は接着取付になりました。
さて、床下機器がスッカラカンなクハですので、スピーカーの音響を確保するためのバッフルをどこに求めましょうか・・・
クーラ中は室内灯基板を搭載で閉鎖状況になってしまうので、今回は使えません。
ということで・・・
小さな窓が1個しかない便所洗面所側のデッキを音響ボックス代わりにしてしまうことにしました。そのため床下側に音を出す抜け穴を通路と床板に設けました。
見えない部分ですので、豪快に穴あけしてしまってます。
そして毎度の秋葉原仕込みスピーカーを通路に縦置きで取り付けてしまい、配線をします。便所と洗面所の床に銅板を貼りまして、車体側の接点を受ける構造にしました。
見えないので便所内の手洗いはニッパーでチョキンと撤去してしまってます。室内灯は生かしますので、配線がショートしないように気を付ける必要があります。
・・・そのうち続く。