シュコダの伝統
チェコを代表する重工業メーカーですが、古くは蒸気機関車を製造するメーカーでした。一時期、ドイツ併合時代にドイツ帝国鉄道の戦時設計であった52型蒸機の大量生産の一翼を担うだけあって、技術力は高いメーカーだったわけですが、戦後はどちらかというと乗用車メーカーとして名が知れてしまいました。
しかし、機関車の製造は綿々と継続しており、独自の機関車を開発し続けていました。それがチェコスタイルに結実したわけですが、この独自開発の109E型もその伝統は引き継がれています。
この屋根の中央に設けられている通風フィルタは、これぞシュコダという雰囲気を出しています。
20世紀のマシンは武骨ですが、この思想が貫かれています。側面鋼体外板のひも出し構造も同じです。
しかし21世紀では、デザインもそれなりに良くないと、マシンが売れない時代になってしまいました。この形状は・・・
多分こちらの影響が大なり小なりにあるのでしょうが、3次曲面を極力避けているのがシュコダらしいところ。複雑な形状はオデコパーツに集約して、鋼体は2次曲面で済むように考えているようです。
まあ、タウラスも複雑な部分は後付けになっているわけなんですが、運転室の上半分が後付けともなると、少々勇気が必要になります。
各メーカーとも、それぞれの特徴を生かしてモノづくりをしているところは変わりません。どちらも魅力のあるマシンであることは確かです。
・・・次回へ続く。