AYKの刻印で
昭和の時代に16番用のパンタグラフの供給メーカーとして一世を風靡したひとつが、青柳金属工業というメーカーだったそうです。
昭和50年代の初頭まで、プラレールよりもちょいと高級な鉄道玩具はNゲージではなく16番(HOゲージ)で、近所のおもちゃ屋でもリマの103系や0系のようなセット物が発売されていました。
さて、今回カツミのEB61に取り付けられていたパンタグラフ。
ホーンの先端が上方に沿っているのが特徴のひとつですが、なぜかPS10タイプの場合のみ?のようです。
裏に「AYK」の刻印が打ってあるので、アオヤギ製と判ります。このパンタグラフは鍵がばね仕掛けのレバー方式で、舟体を壊さないという配慮がされた機構があるのが最大の特徴でしょうか。
タスキ部分も線材の組み合わせとはんだ付けによる完全手作業っぽい組立のようで、かなり手の込んだ製品です。
当時としては、これでもずいぶんと細密的な製品だったんだと思います。
パンタグラフは繊細な部品ですから、模型はかなり高価かつ大量生産にはあまり向かなさそうです。
まあ、実物も似たような感じですので、面倒な部品ですね。