試作機グループでの異端
西ドイツ国鉄として最後?になった新規開発の電機。試作機は5両あり1979年という早い段階で登場していますが、量産機は1987年の登場まで待つことになります。
70年代でインバータ制御という、かなり早い段階での開発となりますので、相当苦労したのかと思います。日本では営業線に初登場したインバータ電車は、日車の造った熊本市電の8200形が最初となります。
さて、試作機5両は、電機メーカーと車体メーカーそれぞれ割り振りがあって、1両1両微妙に構成要素を変えることになる競作となったわけですが、その中でもこの5号機は異色であったことは皆さんご存知の通り。
それもそのはず、この005号機のみは、他の4両とは車体形状が異なるからです、といっても一見しただけでは判らないのですが、更に難解なのは、この005号機に限っていえば、車体が2種類あった、という事実です。
そして、今回ピコから発売された本機は、更に一捻りを加えた、落成当時の試験車体の状態で製品化されたということです。このスタイルは半年ほどの試験に供試後、追って新造されていた他の4両に近い車体に機器流用して換装されて廃棄されてしまっています。現在残されている?車体は、この2代目の車体になりますので、そのままこのモデルと同じだと思ってはいけないわけです。
どの部分が最大の相違点かというと、オデコから正面にかけてのRが大きいことです。結局流線型であるということと、そうでないということのデータを採取して走行抵抗等に与える影響度合いを比較するために2種類の車体を作り分けて試験をした、ということです。
まあでも、2種類の鋼体を用意してしまうということは、随分と大胆なことをするもんだなあと感心してしまいます。
・・・次回へ続く。