インバータ車勃興期のデビュー
今でこそインバータ制御車両が当たり前の世の中になりましたが、それは半導体技術の発展あっての成果。昔は無理でした。
日本では1982年頃に登場した熊本市電や近鉄電車が営業車としては最初になりますが、西ドイツではそれよりも前に、この120.0型試作車が1979年に登場しました。
メルクリン/トリックスでは古くから120.0型のモデルを発売していたようですが、その頃はプラ車体のものでした。漸くダイキャスト車体のリニューアル品が21世紀になってから発売され、このマシンと002号機が初回発売となります。この時はメルクリンとトリックス両方から発売されていて、穂のでんでは2線式のトリックス品が入線しました。
モデルは8PのDCCデコーダが装着可能なアナログ機。当然デコーダを搭載してデジタル化しました。スピーカを搭載できるようになっていますので、サウンド化も容易です。足回りは旧製品をベースにしていますので、キュルキュル音が楽しめます。
さてこのマシン、120.0型のメルクリンの樹脂車体末期の仕様では、量産化改造された状態のものが発売されていましたが、このダイキャスト車体になった製品は登場時の仕様で発売されました。
本当の登場時姿でしたので、パンタグラフは特殊なSBB用と思われる舟体が装着されたパンタグラフでして、暫定営業投入された状態とは少々異なります。穂のでんはひねくれモデラーですので、製品のままでは面白くなく、パンタグラフを交換しました。
交換といっても、そのものズバリが製品としては無いので、ゾマフェルドのSNCF用パンタグラフからタスキの部分のエッチングパーツを、メルクリンのSBS81へ移植してドッキング、色を赤く塗ってらしく化けさせました。
この状態で活躍した期間は、かなり短いと思われ、ネットで画像を探してみても、数枚しか見つかりません。
このTEEカラー最末期に登場したマシン、結局トラブルが多くまともに活躍できる機会が少なかったようで、量産車登場後には早々に試験用とされ、現在では既に廃車と保存機しか残っていない状態となっています。
模型界では、日本でも人気のあるマシンですので、今後も活躍する場が多いマシンとなると思われます。