整備方針を策定す
このように古い製品を手入れする際は、どのような復元をすればよいか、判断に迷う部分が多くあります。
それは、昔のオーケストラの録音を、現在の技術でどのように蘇らせるか、ということと穂のでん坊や的には重なる部分があります。
かつて、90年代の中ごろ、こんな製品が流行りました・・・。
いまはなき名門RCA発売のCDです。穂のでん坊やの趣味が窺えますが、フリッツ・ライナーの録音です。
右はCD発売草創期のRCA Read SealシリーズのCDで80年代後半発売のもの、左は今回話題とする90年代中頃に発売されたLIVING STEREO復刻版シリーズです。
このシリーズが発売された時の謳い文句が、当時収録に使用したマスターテープを、当時の録音機を復元して再生し、最新の24ビットリマスタリング技術を用いてデジタル化した云々だったような記憶があります。
ノスタルジー的観点では、確かに収録した当時の原音を極力忠実に再現できるなんていう風に理解できなくもないのですが、ハテ?本当にそうなのか?と考えてしまうことが有りました。
今となっては音の再現技術が当時よりも飛躍的に向上しているので、ある程度どうにでもなるところはあるのですが、テープから音を再現する部分に録音当時の技術を使用するというのは、電磁記録の状態を可能な限り再現できるという点では、その時の技術を用いるというよりも、最新の技術を用いて引き出す方が優れているわけです。
そういうこともあり、21世紀になってから、更にマスターテープからリマスタリングされたものの製品では、更に音質の向上が聴かれることになるのですが・・・。
閑話休題・・
このEB61でも同じことで悩むのですが、この個体の発売当時の姿に忠実に復元することが、尤も良い復元方法でもあるのですが、それは骨董品の価値を具現化するという観点での手法です。
穂のでんでの観点では、今回の個体では、スプリングベルトの喪失という観点と今でも楽しく走らせられるという観点では、置物化することは是非とも避けたいものがありますので、この製品を今の時代に最大限生きていける状態にすることが、今回の整備の価値ということに致しました。
まあ、結局穂のでんの好き勝手にいじりまわすということですが・・・。
そのような観点で見ると、当然汚れは綺麗にすることとして、緑塗装の車体というのは国鉄の新型直流電機としては無いおもちゃになってしまいます。本来の61は、ブドウ色2号か青15号が似合います。
当然、この大振りな旧型パンタグラフもふさわしくなく、PS17タイプが落ち着きます。
そうなると、この貴重な製品を復元するところは、国鉄電機の王道スタイルということに帰着しそうです。
少々お疲れ気味なので、うんちくを沢山並べましたが、結局国鉄スタイルで行きましょう、ですです。
ネタ切れ感満載ですね~
・・・そのうち続く。