どちら様ですか?
最近、スイスの列車はダブルデッカーの電車化が急速に進行し、昔ながらの客車列車を見かけることは大分少なくなってしまったようです。
その中で、このRbe4/4という電車は、1950年代の後半に登場して以降、似たような形状のEW1客車を従えたりして、高出力を生かした機関車ばりの仕事ぶりをこなし、プシュプルトレインの代表選手みたいな活躍をしています。
モデルではハグやリマが製品として発売していましたが、21世紀には生産が途絶えてしまい、長らく幻のモデルみたいな存在になっていました。穂のでんでも、品質の悪いリマの中古製品をいくつも集めて、漸く稼働可能なデジタル車両として、この1両を仕立てた状況となっていました。
90年代の末期リマの製品ですので、出来栄えはそれなりに良く、走り装置のプラギアの品質さえ大丈夫であれば、それなりに走りこめるモデルです。
そして、一昨年、遂にL.S.modelsとピコから発売予告がされたわけで、登場を待ち焦がれる現地のモデラーも多かったと聞きます。
でも、ここが選択肢の難しいところ。L.S.のみの発売でしたら、確実に入手できるよう予約をいれて、発売されるまでの数年?を待ち続けるということになるのでしょうが、、、(結局現在でも発売されていないので、数年かかるのは事実になっています!!)、、ピコの発売となると、ちょっと躊躇してしまう方も多いでしょう。
それはそのはず。目利きの多いスイスモデラー相手に、ピコの割り切りの芸当が通用できるかどうか、未知数であるからです。
ところが、、、だがしかし、、、、、
そのような不安は、見事に払拭されました。
PIKOという箱に入っているので、「ああ、ピコ製ですね」と判るのであって、ただ製品が1両ポツネンと置いてあるだけでは、
「え? 意外にL.S.頑張って発売したんですね」
と思ってしまうくらい、L.S.風の外観に仕上がっています。
この屋上抵抗器のカバーのエッチング部品の細かさ。既存PIKO製品では一部パーツにその片鱗を見せつけることも、ここ何例か見受けられましたが、このように使われるようになると、今まで着々と実績を蓄積してきたのね~っていうくらいの使い方に化けました。
かなり細かい表現になています。かといって、極薄のパーツ化は避けているところがPIKOらしさでしょうか。ワイパーやステップをあえてエッチングにせずプラとしているのは、何となく「フフン」と唸るところがあります。それは15年ほど前に突如新星の如く現れたRailtopモデルのこの製品。
中華製欧州型細密モデル最初期の製品ですが、値段の割にスゴイという評判のたった、EW1の制御客車。このワイパーもプラでしたので、混結させて違和感なく使えそうです。この辺りのレベルを狙った感があります。
といっても、今回は、この制御客車もセットで発売された製品もありましたので、初めての方はそちらの購入をオススメしますが、穂のでんには、このRailtopの製品が既に所属しているので、電動車のみで事足りるわけです。
さて、外観の出来の細密化もさることながら、装備もフルスペックです。
当然のように室内灯類も標準装備。サウンドモデルになっています。
標識灯類も完全装備。系統板は板です。運転室灯もあります。
ということで、お値段もかなり高級路線。スイス専用モデルでは、ピコでさえ力の入れ方は少し異なるということが今回分かりました。
・・・次回へ続く。