穂の原でんしゃ製作所

鉄道模型を楽しくカンタンに工作したい方にオススメ。

PIKO 51860 DB 118 020-7 Ep.4 その2

末期標準スタイル

 ネコも杓子も流線型の時代の寵児で、戦後も長らく「西ドイツ」国鉄を代表する高速旅客用マシンでした。

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 もちろんナチスドイツ時代の車両ですので、ライプチヒなどの東独側に配属されていたマシンもあるのですが、戦後の比較的早い段階で東西間での転配が行われ、東独側に残存したE18は少数となり、主に西側で多く使用されるに至ったわけです。

 戦災廃車となったマシンもあり、戦後にも不足分が増備され、結局50両近くのグループになったわけです。

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 戦後に製造されるようになったE10は汎用旅客機ということもあり、高速走行を目指したマシンでもなかったので、E03即ち103形が登場するまでは、本機がE10.12と並び花形であり続けていたわけです。

 さて、今回ピコから発売されたのは2種類あり、その一つがこのタイプ。前灯が小型化され、青塗装の車体の下部裾部に白線が入り、屋上が銀塗装、側面にDBのロゴが入った、70年代後半の最も標準的なスタイルのマシンがモデル化されました。もう一方は東独に残された3両で、末期の高速化改造されたスタイルのものが再現されています。

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 どちらの地域でも末期まで旅客運用に使用され、末期まで優等列車に使用されることもある幸運なマシンでした。車体の外観は流石に戦前機ということでリベット仕上げの古臭い部分があるのですが、フォルムについては流線型時代の寵児ということもあって、E03にもつながる丸妻スタイルが陳腐化感を打ち消す役割があったということでしょう。

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 また車体の構成についても、この後の基本となった部分が多く見られます。ベースはE44.5あたりで構築された部分が大きいとは思いますが、それまでの交流機ではトランスやモータの換装が場所取りや車体構造の制約になっていたものが、おおよそこのマシンの前後近辺で、方向性が定まった感があります。

 

・・・次回へ続く。