穂の原でんしゃ製作所

鉄道模型を楽しくカンタンに工作したい方にオススメ。

黄色いクハ101

必ず非冷房車

 首都圏では比較的遅くまで旧型国電が活躍し、中古車で揃えられていた南武線。しかし73系が一掃されると、どういう訳か冷房車の恩恵に被るようになり、昭和末期では京浜東北線などを抜いて、首都圏でも有数の高冷房化率を誇る路線となりました。といっても大部分が冷房改造車である101系と103系ばかりでしたが。

 その中で、クハ101の編成は、必ず非冷房車の編成となります。クハ101には冷房改造車が存在しなかったため、台車検査等の関係で編成を崩される以外、大概非冷房車で揃っていました。

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 こちらは昭和58年ごろ。ちょうどロングレール化工事が始まった頃で、下り線には準備のレールが置かれています。更に背後の現在はパークシティになっている敷地も、まだ日立精工の工場建屋が取り壊されて更地の状態でした。手前は二ヶ領用水の町田堀。この頃はまだ水が流れていました。これを撮影する数カ月前に、台風に伴う増水でこの付近は線路が水につかり、土地の低い日立精工側は水没しました。

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 さて、平間駅構内の跨線橋から上りのクハ101を撮影。この跨線橋は今も健在です。屋根布は補修跡が無いので、比較的経年の若いクハでしょうか。クハ101は、最終的に昭和43年まで製造されていたので、この頃はまだまだ働き盛りの頃です。

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 それでも、外板と台枠はスポット溶接による接合のみのため、雨水の侵入による外板の腐食が発生しやすい構造であり、このように裾部がボコボコになってしまうのが欠点でした。この部分の溶接が国鉄車で改良されたのは、通勤車では201系量産車からとなります。

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 非冷房車だからと言って、改良工事がされていないということは無く、この車両のように前灯がシールドビーム化された個体も存在しています。

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 結局のところ、比較的末期までクハ101は活躍を続けました。この個体は靴ヅリのステンレス化までされています。腰掛下のケ込み板をステンレス化した個体も出現していました。

 これだけクハ101を並べて観るのは初めてであります。