国鉄末期の異端車
JR発足前は、形振り構わずトンデモ改造車が多数出現しました。あまりそのような改造車にカメラを向けることは無かったのですが、ちょうど101系改造の103系が道中に居たことから、偶然撮っておいたものがありました。
偶数向きのクハ103 2000番代は少々早く関西線のクモハユニットの相棒として登場していましたが、奇数向きのクハ103 2050番代は、少々遅れて登場しました。2両のみの存在で、しかも東海道線で営業した車両は、この1両のみ。
クハ103-2052.明石電車区所属の時代です。先頭床下に前面下部オオイが取り付けられた、最末期の姿です。Hゴムもクロロプレンゴム化されています。
その横にいるのは、普通の103系冷房改造車。まだこの頃は普通の103系のスタイルが残されていました。戸袋窓上にサボ受があります。
こちらの2052号車にはサボ受が無く、101系オリジナルに近い状態です。ジャンパ栓受けは103系と同じものに交換されていますが、それ以外はいかにも101系というスタイルです。転入当初は無かったデフロスターが取り付けられているところが、東海道線の103系らしい特徴を引き継いでいますが、隣のクハのデフロスターは撤去されています。熱線ガラスに交換されたのでしょうか。
とりあえずの数合わせのための改造だった系列のため、奇数偶数6両が1992年に一斉に廃車となりました。
京都駅構内に昼間留置されていたブルーの103系の情景は、今となっては随分と懐かしく感じられます。