穂の原でんしゃ製作所

鉄道模型を楽しくカンタンに工作したい方にオススメ。

PIKO 51520 DB E41 452 'Rheingold' Ep.3 その3

実物の順番

 1962年、「ラインゴルト」用の客車が新形式の62系に変更される際に、当時最新の旅客用電機のE10を高速化したE10.12型を準備していたのですが、その新車体の車両の製造がダイヤ改正に間に合わないため、その前のロットで製造中の従来の車体を使用して台車のみ高速化設計したマシンを準備し、ラインゴルト用の塗色で登場した車体が、以前にも紹介した239~244号機でした。

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 また高速運転が必要のない「ラインプファイル」用として塗装変更のみで1963年に準備されたのが250~254号機となります。

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 本来の主役として用意された265~270号機は1962年~63年にかけて落成。

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 台車は暫定登場のマシンと振り替えしたそうでしたので、半年かけて6両の入れ替えが行われたようです。ラインプファイル用マシンの308~312号機も1963年の秋に順次登場し、250~254号機も直ぐに一般塗装に戻されたようです。

 ということで'Kasten'タイプの車体の2色塗装は1年余りの期間しか見られない暫定的なマシンでした。

 ところで、このラインゴルトについてもTEE特急網に組み込まれていきましたので、青塗装から赤塗装に変更されることになり、機関車も1965年には比較的短期間で塗装変更されたようです。これでおなじみの姿になりました。

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 この頃、TEE特急の宣伝に使われたパンフレットや街頭のモデル車両の塗装が、新型「ラインゴルト」登場時に準備されていた'Kasten’機関車の塗装の印刷塗料の色替えで間に合わせるとか、塗り替えで誤魔化すというようなことが一部で行われていたため、実物では存在しないTEE色の'Kasten’マシンがPOP上に出現することになりました。結果として、これがウソ電となるわけです。

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 ということで、ピコのカタログ上または製品名上はラインゴルトEp.3なのですが、配色がEp.4仕様なので、微妙な製品なのです。

 またマシンもE41なので、ウソ電ウソ電代表という感じになります。

 多分、今年に待望のE10シリーズが発売される(まもなく出荷らしい)ため、正真正銘のウソ電TEEについては、再来年くらいのモデルで、ひょっとすると発売されるのかもしれません、という淡い期待でもしておきましょうか。

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 製品としてはEp.3を忠実に再現しているモデルになります。

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 特急車としては微妙なマシンですが、ファンシーモデルとしての楽しさがあるのは、模型としての良いところでしょう。

 

・・・おしまい。