ハグの逸品
HAGといえば、かつてはスイス製の高級機というイメージでした。ここ数年は経営が不安定で、製品の発売も怪しい状況。取扱いする模型店も少なくなっています。また模型のデジタル対応にも遅れていて、時代に取り残されつつある状況です。
10年ほど前、今のような状況になる前に、やはりどうしても1機は所属させておいた方が良いと思い、代表的な形式であるRe4/4から、TEE色のマシンを取り寄せしました。ちょうどスイスの模型店に在庫があるマシンを選定しましたが、当時のハグは色々なパターンの特製品を発売していたようで、どれにしようか迷う状況でした。
しかし、その模型店も今やハグの取り扱いをやめてしまって、取り寄せることもできなくなりました。
さて、そのTEE色のマシン。製品番号が215ですので、まあ古い部類なのでしょうか。あまりハグは詳しくないので(機関車はこれ1台しか所属がないので)不明です。
ハンドメイド製品ですので、出来の安定さを求めるのは難しいのかもしれませんし、3年ほど前にロコのRe4/4が大幅改良され細密化が進んでいますので、それと比較するのも酷なのかもしれませんが、鋳造車体と塗装の仕上がりの良さは、やはり一目置きたいところです。
しっとりとした塗装のツヤ。手で持った時の感触、表面のツルツルさ、重量感。やはりロコのプラ製とは異なるずっしりとして落ち着いた感触が伝わってくるし、また同じ鋳造車体のメルクリン/トリックスの同型機の感触とも異なる仕上がりが、やはりこれがスイス製なのか!と思わせるような、妙に納得してしまうような感じになります。また走らせたときの、メルクリンのものともまた異なる静かなキュルキュルモーター音が落ち着いて聞こえます。
正面のSBBのエンブレム、また側面のSBB/CFF標記は、それぞれツヤあり銀のピカピカさが、深い魅力があります。
アクセサリーなどはあっさりとしていて、いまのロコ製品とは比べるべくもないのですが、それを感じさせないくらいの魅力があります。
アナログ製品でしたが、DCCデコーダを工夫して搭載しました。室内は十分に空間があります。
時代に取り残されたハグですが、アナログ時代のスイスを代表する模型メーカーの製品として、このマシンは大切に使われていくでしょう。