少しの進化
ロコの既製品は、たまに行われる大規模な仕様変更の他に、発売ごとに微細なマイナーチェンジが行われることがよくあります。今回はまさにそんな感じの変更が加わったようで、多分にフライシュマン銘柄の141型の改良発売が影響しているものと思われます。
付属品の袋を開けると、こんなパーツがありました。
あまり実機の状態を知らないと、何のパーツだか直ぐには理解できない形状です。更に悪いことに、付属の説明書は旧来通りの従来製品の流用という感じで、イラストにはこのパーツの存在が記載されていません。パーツリストに入っていて、手すり部品ということが解読できる程度で、使い方もわかりません。つまり現物で理解しなさい!というものであります。
E10/E40のシリーズは、この手すりには曰くがあります。初期のKastenでは溶接取り付け品となっていましたが、E10.12が製造される1962年頃のマシンから、このパーツのような取り付け式手すりに変更されています。後に初期のマシンも車体更新で手すりが交換されたものも多く、Kastenの場合は2通りの手すりが存在するということになります。
さて、今回のモデルの164号機は交換されたパターンですので、製品の状態のままではなく、このパーツに交換することにより、実機に近いスタイルとなります。
今までのロコの製品では、この手すりパーツはプラ成型品によるものであり、フニャとなることでスタイルの調整が難しいものでしたが、このようにプラと金属線の併用タイプとなることにより、フニャとなりにくい効果が得られると思われます。
ということで、1か所取り付けてみました。既設の手すりを外して交換となりますが、既設のものも洋白線の銀メッキ(塗装?)仕上げで高品質な仕上がりとなっていました。これは別マシンに流用できそうなので、捨てずに取って置きます。
上の写真の上部取り付け部を見ると、何となく外側に手すりが向いているように見えます。
細かい話ですが、きちんと左右勝手を作り分けていることが判明。実機は扉側に手すりが位置するようになるので、この試験取り付けは外して付け直すことになりました。
まず、取付部のプラパーツを穴に差し込みます。わずかに扉側に傾斜した状態になることが分かります。微妙な表現です。
次に手すり本体の金属線を差し込みます。まず未塗装部分の線を下の穴に差し込んで、白塗装がかかる部分に達した付近で本体側の上部を写真のようにプラパーツ下面の穴部に引っ掛けるようにして下部の穴を差し込んでいきます。するとうまい具合にフィットして差し込み完了となります。
こんな感じで仕上がります。これはバッチリな表現になりました。プラにはない出来です。
車体内側には余分な長さの線が余りますので、ニッパで切断除去します。
・・・次回へ続く。