穂の原でんしゃ製作所

鉄道模型を楽しくカンタンに工作したい方にオススメ。

Roco 69674 Siemens ES64U2 027 Ep.5

何かが変だ

 クリスマスの今日、晴天の東京は結構な人出でした。会社帰りに久しぶりに混み合っている銀座に行き、4Fのお店を覗いてみると、週末の金曜日にもかかわらず、随分と閑散としていました。会社によっては本日が最終日のところもあるようで、忘年会?日和で模型店には人が来ないのかもしれませんネ。

 秋の夜長のネタ仕込み以来だったので、3か月近く間が空いてしまいましたが、結構商品の入れ替えが進んだようです。でも3線式のショーケースは、動いたものは動いたようですが、代わり映えしないどころか、新種が増えていました。

 その中で本日の収穫。

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 御覧の通り、同じロコのタウラスで69674が2箱。ショーケースには珍しく同じものが4箱もあったので、そのこと自体も珍しいのですが、価格もかなりのお値段。見ての通りで買い取り品だったからかもしれませんが、1両7,000円。この時期の3線式仕様ではDCCでも動くMMデコーダが標準搭載となっているので、いわばデジタル機がこのお値段となります。しかも中身を確認したところ、パーツは全くの未使用。また走行経歴もない、全くの新品であることも判明。

 これはお買い得以外の何物でもなく、また以前から入手したいと思っていたクラブモデル限定品(2004年)で、現在では結構入手が難しいので、番号違いの重連を再現したくて2両購入と相成りました。あと2箱ありましたので、入手ご希望の方はお急ぎを。残り2台も7,000円でした(税別)。

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 2線化への復元や整備などは、これから時間がある時に実施となりますが、全くの新品で走行にも問題が無いことから、全くの新車整備で済むという楽さがあります。番号違いの車両にする方は、少し手間をかけますが、どんな整備にしようか考え中です。

 

 といって、かなり安価に入手をしましたが、本当にこれが適正価格なのか???と思う気がします。試しにドイツのebayや模型店の価格を見てみると、発売時の値段またはそれ以上の価格で現在は取引されているようです。これは、いかに日本の市場では流通がおかしいのか、あるいは趣味嗜好のバランスが崩れているのか、色々な要素があると思いますが、HOゲージの市場が狭い上に、更に外国型の模型を楽しむ人口が縮小しているという現実を反映しているかもしれません。

 または、これが3線式仕様だから、という要素もあるかもしれません。配線をつなぎ変えるだけで(注:追記参照)2線式デジタル機に化けるので、もし2線式の63674という売り方だったら15000円程度でも売れているかもしれません。結局、商品の価値というのは、どのような使い方をするか、あるいはどれだけ手入れをできるか、というところで価値が決まるのが本来なのだと思うのですが、買い手の使い方がプアーだと、商品本来の価値をもゆがめてしまうという、成熟した市場とはまるきり正反対の、退化した市場、あるいは短期視点でしか価値判断ができない投機市場みたいなものになっているとも考えてしまします。

 まあ、今の日本は「考える力」も「生きていく力」も低下方向に向かって社会全体が退化しているようなマニュアル管理手法がもてはやされていますので、益々この傾向が強くなるかもしれません。

 安価に新古機が入手できるのはラッキーなのですが、この状態にはかなり危機感を持つのも事実です。つまり、この反対のケースもありますからねえ。特に最近の事業者限定鉄コレは、業者まがいで小遣い稼ぎ目的の爆買いする連中が増殖しすぎ、模型を楽しみたくて買いたい本来の趣味を楽しむ方々が、普通に買えない状況が頻繁に見受けられます。

 これも異常です。模型を投機の手段として扱うようであれば、いずれ市場が縮小し、限られたコミュニティーでの維持も難しい状況になってしまいます(ヨーロッパにあるような、投機目的の超高級製品はあっても良いのですが)。結局短期的な視点での利潤追求(これは製造者側の話ではなく、むしろ中間流通の仕向けた罠)が行き過ぎていることを示しています。鉄道模型の人口は今後増加しないことは明らかなので、商売としての成長戦略を過剰に取りすぎると、逆に市場を失うインパクトになります。身の丈を理解した(すなわち自社が潰れても、市場には模型が継続して供給されるという)商売をしないとダメでしょう。

 しかし、日本での鉄道模型の世界は不思議なもので、結構日々の懐具合の心配が全くない方々が楽しまれていることが意外にも多いようです。そうであれば、価格なんてあって無いようなもの。庶民から見れば、ひょっとすると道楽人の高級品なのかもしれません。そう考えると、早く足を洗うのが、身のためかもしれません。

 結局、身の丈に合った模型の楽しみ方で満足しているのが幸せなのでしょう。ということで、如何に状態の良い中古機を、自分の眼力で探していくか?というところで落ち着かせようと思います。

 

(追記) 2015年12月27日

 2線化改造をしてみようとしたところ、この製品は車輪が絶縁なしの3線式に完全準拠という仕様ということが判明しました。調べてみましたら、最近のロコの3線仕様は、車輪も絶縁なしのものが準備されていることが判明。よって、このマシンの2線化のために、ロコから車輪を取り寄せることになってしまいました・・・(汗)

 といっても在庫があったので、メデタシ。届くまで改造は暫くお預けとなります。

 やはり眼力がマダマダ足りないようです・・・。