チェコの作品
Pikoらしい製品と言えば、この形式はそれが相応しいでしょう。DRのカマでしたが直通運転用として作られたもので、チェコの代表的なメーカであるシュコダの作品です。シュコダと言えば現在はVW傘下の自動車メーカーとして有名ですが、日本には正規の販売ルートがなく、個人輸入で愛用されている方が数名のみいらっしゃるようです。結構好ましいスタイルの乗用車を製造しています。
といっても関連会社で現在も車両を継続して製作しており、戦前は彼のBR52蒸機も多数製造しましたし、現在では満を期して登場したCDの380型があり、これはDBからも現在発注されている状況です。
さて、10年ほど前に当時の銀座3Fの電機の隊列にこの珍しい車両が紛れていて、目ざとく入線させました。
製品としては1999年に初回製品が登場した比較的新しい製品ですが、かつてのPIKOらしい彫の深い造型が特徴です。かといって大雑把ではなく、細かいところまで作りこんでいる好ましい製品です。
側面の形状が左右で異なるところも、しっかりと表現されています。手すりも別パーツです。前灯尾灯も明るく点灯します。もちろんDCC対応品です。
旧東欧メーカーの車両は、ある意味製造の容易化とコストダウンを追求した車両であることが多く、現在の車両設計思想と相通じるところがある機能美に優れたものが多くあります。
東西統一以降、使えない車両は早々に処分されましたが、143型をはじめ、比較的多くの東欧思想の車両が多く活躍している現状を鑑みると、限られた資源の中で最大の効果を生む設計というのは、技術者としては大切にしなければならない精神なのでしょう。