ちょっと手間がかかったリニューアル作業
111型電機は現役だけあって最近は様々な広告機がモデル化されています。その代わり通常の形態の発売頻度が少なくなっているような気もします。
S-Bahn塗装は111型末期新造車の標準的なスタイルでありながら、最近の発売は途絶えています。5年ほど前に久しぶりにRocoから発売されましたが、DBS54タイプでした。SBS65やSBS81のシングルアームパンタが取り付けられているオレンジ塗装は、中古品を探すことになります。
とある時にDCC化されたものがあり、走ることが確認できたので、とりあえず出回ることが少ないもののため穂のでんに入線させました。
Roco 43414 111 178-0. この品番43414は何回か発売されているようで、発売ごとに車番変更されているようです。この車番の製品は1987年発売とのこと。
入線して早速整備工場へ入場しました。走ることは走りますが、状態は結構悪いものであり、中古屋さんのランク付けではC-からD程度になるでしょうか。
手直し時期が比較的以前なので、途中経過の写真はありません。
車体の表面は結構細かな擦り傷が多く付着、ラッパは片方折れている状態、またDCC化改造が結構乱暴で、デコーダを搭載させることを優先し、片側の室内の運転室モールドのプラを完全に撤去、また片側のライト類の導光モールドも除去し、事実上片側の運転方向に限定される状況でした。
結局動力周りも総バラシし、デコーダは新品に交換、歯車も1枚ごと洗浄して再組立て、給油もトリックスグリース化。ゴムもはめ変えしています。
上回りは綿棒を使用して丁寧に磨き上げると、傷がすっかり消えました。ラッパはメルクリンのBR111用を銀座5Fのお姉さまのお店で準備していただき、パンタグラフはゾマフェルドのSBS81を使用し、シューは交換。ライト類の導光材はタミヤの導光用丸棒を使用して復元、ライトはLED化しそれぞれのエンドに基盤を設けて直接光らせる方式とし、従来よりも明るく点灯するようになります。撤去されていた片側の運転台モールドは、簡易的にプラ板で窓下部を塞いで光が漏れるのを防止することだけにしました。
さて、そのまま178号機に復元するのは、何となく気に入らなかったので、少々変わり種のS-Bahn塗装機に戻すこととしました。いろいろ調べると182号機が目に留まりました。S-Bahn塗装でEp.5仕様、前面の放送用ジャンパが両側にあり、なぜかバッファーが丸形であるというマシンです。
ということで、特定機への手入れとして、銀河の国電用ジャンパを使って2組を表現、バッファはRocoの余っていた丸形を流用、車番変更とロゴ変更はタトゥーシールを使用という状態です。
この時期のRocoの製品は床下周りの黒いプラ部分が茶色っぽいため、つや消し黒を塗装しておきました。車体全体は半艶クリアを上塗りしています。
総バラシの整備だったので、走りも好調になり、LED化による効果も抜群、一躍141型と共に3扉客車をけん引して走り回る主力になりました。