純正品によるトリックス化?
2線化改造といっても純正品を使用するので、一般的にはメルクリンのトリックス化改造とでもいう言い回しになるのでしょうか。
メルクリンの模型を趣味にされている方々の中では、メルクリンとトリックス双方で発売される同系の客車などは車番違いとしていることが多いことに注目し、両方を購入されてトリックス品の車軸をメルクリン仕様にするというようなことをして楽しまれているようです。逆パターンであるメルクリンの製品をトリックス化するというケースは、あまり聞きませんね。
さてBR189ことSiemens ES64F4は、メルクリンから各種発売されています。トリックスからの発売はあまり多くないようなので、補修部品として適しているかどうか吟味が必要です。
今回改造する車両は、失敗に終わったC-Sinモータを採用しているものなので、運が悪いというケースです。トリックスのES64F4ではカンモーターの両軸動力台車というタイプしか発売がなく、しかも台車全体で1組の補修部品販売という形態でした。仕方なく最悪車輪のみ流用というケースも想定し、この写真のように両台車を購入。改造する車両は片方はダミー台車なので、結局車輪しか使いませんが・・・・。
ギアケースを比較すると、C-Sinモータのウオームギアケーシング部分は取り替え可能な構造になっており、下半分のギアケースは共用であることが分かりました。
ということで
モーターを、ネジ1本と爪を外して、上部のケーシングを入れ替えします。
付随台車側は車輪を絶縁車輪に交換するので、このようにもう1台車の車輪を流用します。ギアユニットがもったいないので、予備品にでもしておきましょう。
ここで一つ判明したのは、旧品の場合は車軸の径が∮2.5ですが、最近のタイプの歯車車軸の嵌め合い部の径は∮2.0でした。従って、軸の圧入前に穴径を少しドリルで広げておく必要がありました。こんな感じであったら、ナイロンで絶縁ブシュを自作して、絶縁処理してしまっても良さそうな感じです。
集電用シューを両台車に装備し、2線化改造は終了です。今回は両台車に装備が出来ました。
ちなみに、このギアケースのタイプは、近年のメルクリンの両軸カンモータータイプでは標準的な構造のものになっているので、穂のでんにおいて所属する110型電機や218型ディーゼル機でも、同じように台車丸ごと補修部品に交換した2線化改造を採用しています。
・・・次回へ続く。