東独型の代表形式
DR212/243型は東ドイツ国鉄末期に登場した代表的な形式です。今では旧西ドイツ地区にも進出し、ドイツ各地で普通に活躍している汎用機関車になっています。
現物の変遷はWikiさんにお伺いすれば出てくるのでここでは省略します。さて模型ではメルクリンとロコからそれぞれ秀作が発売されて久しくなっています。両メーカーとも何年かに1度のスローペースで様々なバリエーションを発売してきましたが、最近は現物が落ち着いていることもあり、発売のピッチが長くなっているような状況でした。
さて、今年のニュルンベルグメッセでRocoから再発売の予告がありましたが、現車写真での予告編だったため、ひょっとすると金型からの見直しが入るのか? と思っていました。メッセでは試作モデルが展示されていたようで、随所にエッチングパーツが利用されるなどのリファインを窺うことができました。
先月、早速青山のお店に入荷しましたので、1台穂のでんにも入線しました。143型は穂のでんにも数量在籍していますが、今回のEp.6仕様は初めてとなります。
付属パーツは正面手すり類の変更ありませんが、前面ステップが細い4本脚を車体にはめ込む構造に変わりました。この4本をそれぞれ穴に突っ込む作業は少々手こずります。勢い余って曲げないよう注意が必要です。
ワイパーはエッチング抜きになりました。収め位置を窓下、窓脇とお好みの位置にすることができますが、Ep.6仕様では窓脇になるのでしょうか。
それぞれの発売時期の違いによる比較をします。左から右という順番になります。
左:1994年発売 605号機 Roco 43683
中:2014年発売 342号機 Roco 73425
右:2015年発売 973号機 Roco 73321 Sound
昨年発売の342号機までは、発売当初と外観構成が概ね変わらない状態でした。このモデルの発売当初、趣味誌の賞を幾つか受賞していることから、完成度が高かったのでしょう。20年もの間、構造的な見直しをしなくて通用していた理由がうかがえます。
確かに手に取った時の重量感は、車体がダイキャスト製ではと勘違いするほどのものであり、さらに605号機を購入した時にも、既にDCC用の8Pコネクタが準備されていて、機能面でも充実していました。もちろん手すりの別パーツ類も当時としては別格の出来でした。
さて、本年の製品973号機は、あちこちにエッチングパーツ化された部位が見受けられます。前面下部のステップ2枚が、最も目立ちます。
屋根上では、網目のランボードがエッチングパーツになっています。写真でも目の違いがわかりますね。あとはVCBが形状変更になっているところでしょうか。
側面のドア脇手すりがプラから金属線材化されています。フニャが改善されますが、取り付け部の再現性が今一つになりました。
カプラーは台車取り付けタイプから車体に実装したショートカプラー方式となっています。これはフライシュマンの141型と同様の改良です。
ようやく正面窓内の助士席運転台部に、行先表示器が設置されました。ただし無点灯です。下手に点灯化して眩しすぎるよりは良いかもしれません。これにカーテンを付属させると、L.S.と同等になってしまいそうです。ウェンデツーク再現には外せないアイテムとなりましょう。