穂の原でんしゃ製作所

鉄道模型を楽しくカンタンに工作したい方にオススメ。

Märklin BR111  試験塗装車のお手入れ その3

車輪のはめ変え

 まずは既存の車輪を外す作業をします。

 動力台車も付随台車も、軸に対して圧入しているだけなので、マイナスドライバーを使用してキコキコと金属枠をテコの支点にしながら少しずつずらしていくと、いとも簡単に外れます。重要なのは金属枠が多少曲がることを覚悟して力を加えることです。一気にやろうとすると曲がる量も増えますので、じわじわと確実に力を加えることです。

 曲がった金属枠は、ペンチなどで修正できます。

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 車輪を外すのは、動力台車側でみるとギアがない側の車輪です。付随台車は外した後でも入れ替えできるので、どちらでもよいです。

 上の写真は、付随台車の車輪を外した状態です。軸の半径は2.5mmでした。

 ということは、準備した絶縁車輪を圧入する場合は穴径を2.3mm程度にしておく必要があります。

 エンドウの絶縁車輪は、M2ねじのタップが切ってありますので、この穴を大きくしてあげる必要があります。

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 穂のでんは工具が不揃いな弱小工房のため、旋盤なんていう立派な工作機械がありません。車輪を万力に挟み込んで、ピンバイスで穴を広げます。

 ということは手作業なので、一気にΦ2.3まで穴を広げるような無謀なことはせず、まずΦ2のドリルでねじ山を除去します。簡単に削れます。

 その次、Φ2.2のドリルで穴を広げます。少し力が必要ですが、これも簡単に削れます。そして最後にΦ2.3のドリルで完成させます。多少削れる程度で、仕上げている感の作業になります。

 さて、エンドウの絶縁車輪において、現在エンドウのショールームに在庫している製品は、スポークの黒い部分と外側の踏面のめっき部分の境目に、樹脂の絶縁材が入っています。この製品の場合は、ピンバイスで普通に穴あけ作業をすることでOKです。作業中にこの絶縁材の部分で分離してしまうこともありますが、簡単に戻すことができますので気にせず作業をしてください。

 少々古い製品は、M2ねじの部分が樹脂で出来ていて、多分Φ3の穴に圧入された状態になっています。この場合、穴を広げる作業をあせって早く開けようとすると、樹脂が切れたり外れたりして、使いものにならなくなってしまいますので、慎重にゆっくりとドリルを回すようにします。万が一樹脂が切れてしまったりしたら、ちゃんと絶縁がとれるかどうか、神のみぞ知る状態で圧入後にテスターで絶縁測定することになります。

 まあ、焦らずに気長な気持ちをもって作業をするのがよいでしょう。

 

  ➡次回へつづく